このページは「あったら良いページ」ではありません。この数字を信じてよい範囲を、私たち自身が先に書いておくためのページです。
A. この数字は何か
Catchspan 値(1850cs)= 知っていて、かつ自然な発話の中で復元できる英単語の推定数。
2段階で測っています。
Stage A 引用形で語を提示 → その語を知っているか (=従来の語彙サイズ測定) Stage B 同じ語を自然発話の中で提示 → 復元できるか (=この診断の本体) 復元率 R = Stage B 正答数 ÷ Stage A 既知数 cs = 語彙サイズ V × 復元率 R
測定形式: Stage A は日本語4択の再認形式、Stage B は書き取り(再生形式)。
(Stage B にタイル選択を混ぜる実験を予定していましたが、音を聞かなくても当たることが分かったので
書き取りだけにしました → /facts/foils)
🔒 再認形式は推定値を膨らませます(Stewart et al. 2023, Language Testing, 日本人 n=103:
再認 M=785語 vs 再生 M=423語 ― 約1.85倍 https://doi.org/10.1177/02655322231162853)。
このため数値の近くに必ず測定形式を書いています。
射程: 核 8,750 語の内側に閉じています。「あなたの聴覚語彙は◯◯語」ではなく
「映画・TV の発話の 98% を覆う 8,750 語のうち、音で分かるのは約◯◯語」です。
核は BNC/COCA の上位 5,000 語族を flemma(屈折形だけをまとめた単位)に畳んだ 15,360 語のうち、
頻度順で上位 8,750 語 = 映画・TV の発話の 98% を覆う地点です。
🔒 2026-09-06 に NGSL 2,809 語からこの単位に移しました。旧 cs と新 cs は比較できません
(/facts/decisions)。
B. 何が分かっていて、何が分かっていないか
| ① 確立していること | /facts/established |
| ② 争点になっていること | /facts/disputed |
| ③ 未検証・分かっていないこと | /facts/unverified ← ここがいちばん厚い |
🔒 この3つを混ぜません。混ぜた瞬間にこのページの価値がなくなります。
C. なぜこの設計にしたか
| 設計判断 | 根拠 | 詳細 |
|---|---|---|
| 語彙サイズではなく復元率を主役にした | Hamada (2025) IJAL 35(4), 日本人 n=58, r=.72 https://doi.org/10.1111/ijal.12747 | /facts/established |
| Stage A を4択の再認形式にした | Milliner, Matthews & McLean (2026) Language Testing, 日本人大学生 n=176 | /facts/established |
| 選択肢をすべて日本語にし、カタカナ語を1つも使わない | 音の一致だけで正答できてしまうため | /facts/distractors |
| カタカナ語と1対1対応する語をバンクから外した | 同上 | /facts/katakana |
| Stage B で音を消さない(穴埋めにしない) | Kul (2024) Front. Psychol. 15:1305134 ― 文脈なし53% / 文脈あり48%。意味的文脈は助けにならない https://doi.org/10.3389/fpsyg.2024.1305134 | /facts/established |
| 綴りミスは許し、別語の聞き取りは許さない | デコーディングと綴り技能を分離するため | /facts/scoring |
| 音声を合成音声にした | /facts/audio | /facts/audio |
| 時間制限を設けない | Saito et al. (2026) Second Language Research | /facts/established |
項目バンク(206語)をどう作ったか: /facts/items
その1つ1つをどの方針で決めたか: /facts/decisions
D. 私たちが約束しないこと
- 🔒 この数字を上げれば聴解力が上がる、とは言いません。
成人L2でそれを適切に統制して示した研究は見つかっていません
(唯一の統制試験 Saito et al. (2025) Applied Psycholinguistics 45(6) は null, p=.632
doi:10.1017/S0142716424000468) - 🔒 この数字が映画の理解度を予測する、とは言いません。私たちは検証していません
- 🔒 「世界初」「唯一の」とは言いません。存在否定は構造的に最も弱い主張です。
実際このプロジェクトでは、当初の「存在しない」という判断が2回 falsify されています - 🔒 語彙学習の教材は売りません。測定単位に留まります
E. 技術付録
- 一次資料リスト(著者・年・誌名・DOI/URL・n・設計): /facts/established と /facts/disputed
- 採点式と採点規則: /facts/scoring
- 項目バンクの構成: /facts/items
- 音韻ダミーの作り方と限界: /facts/foils
- テキストのみでの推測可能性の検証状況: /facts/cloze
- 決定ログ(自信度100未満の全セル): /facts/decisions
- 測定前の事前予測(命題A/B の予測を測定前に固定したもの): /facts/predictions
- 何を保存し、何を保存しないか: /facts/data
🔒 項目バンクを作ったのは人間ではありません。
機械検証付きのエージェント作業で、以下の4点が未了です。
§2.3-4 日本語選択肢の自然さ(日本語母語話者) 未実施 §4.3 文脈文・断片の自然さ(英語母語話者) 未実施 B4 テキストのみでの推測可能性の事前テスト 未実施(cloze_pretest_pass は全項目 false) §4.5 ディストラクタ別選択率 公開後に取得
変更履歴
| 日付 | 変更 |
|---|---|
| 2026-09-04 | 初版。項目バンク124語の確定、採点規則の改訂、決定ログの公開 |
| 2026-09-06 | 単位を NGSL 2,809語 → BNC/COCA flemma に移行。分母を核 8,750 語に確定。語彙サイズの推定を帯ごとの正答率から曲線に変更。項目バンクを 124 → 206 に拡張(5帯すべてで境界帯の 30 問を積めるようにした)。縮約の分類を 3 軸に作り直し |
| 2026-09-05 | 公開前に残っていた13の判断を決定(/facts/decisions)。Stage B をタイル選択なしに変更、断片28本を書き直し、語をまたぐ同化が音声に入っていないことを実測、Guo (2026) の引用を訂正、誤答分類の表示を実測している2種類に限定 |